2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

廣松渉 『新哲学入門』

この小さな新書が秘めている容積はすごい。本には内容を反映した、文の容積のような物がある。新書というものが、たいいていにおいてあなどれないものであれ、この本の容積はさすが廣松さん、岩波だ、と唸るものがあります。 もちろん、すらすら読める人もい…

 陣内秀信 『東京の空間人類学』

うおー、忙しいシーズン到来である。私なんかまだ暇な方だとはわかってるけれど、曜日感覚が早々と薄れつつあります。徹夜できないとわかっていても仕方がないと徹夜してしまい、頭がふらふらしている中で神戸の元町商店街を歩くと、街頭コンサートがあちこ…

J・デリダ追悼 

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200410100007.html最近の論文は分野関係なく「脱構築」という言葉が見られる。この前研究会の時に読んでた論文もやっぱり「脱構築」って言葉があって「ではこの脱構築について・・・」という話から、この言葉の魅力をひしひ…

オイストラフ演奏 チャイコフスキーヴァイオリンコンチェルト

つい最近「北京ヴァイオリン」という映画を見た。このごろ大陸ものの映画がこれでもかとどしどしはいってきていて、そういうのが私はあまり好きではないんだけど、DVDのパッケージが可愛らしくて観てしまった。 映画の内容は色がある映画で、もちろん派手と…

川喜田二郎 『発想法』

中学生か高校生のころに手にとって「おおっ、これはおもしろい」と思った本はなかなかいつの年になって読み返してもおもしろい。あの頃はなにかを「系統だてて読む」とか「分節だけ読む」とかしないで左から右までガガガガーと丸々読んだものです。 基本的に…

柴田元幸 『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』

村上春樹の「うなぎ」ってなんですかと聞かれた。村上春樹が「うなぎ」について語っているのは、柴田元幸さんの「ナイン・インタビューズ」のなの話。 この本は柴田元幸が関わっているアメリカの作家たちについてのインタビューで、インタビューの模様は録音…

BILL EVANS 「Waltz for Debby」

部屋にはいると本棚でも机でもなくて大きなステレオがある。私は友達に、いくらオーディオが好きでも部屋も小さくちゃこんな鳴らせないでしょと言う。友達も「だから、抱えながら寝てるんだ」と言う。 そんな時代があった。いつかお金持ちになって部屋にこだ…