JR福知山線脱線事故

JR福知山線で脱線事故が起こった。 昔調査に出るときによく利用した路線。いまも通り過ぎる路線は、朝はかなりぎゅうぎゅう。 たくさん報道されましたが、ふと気になったのは、オーバーランに対して、どうして口々に「変だと思った」にもかかわらず、乗客は…

J.S.バッハ 無伴奏パルティータ ルーシー・ファン・ダール

少し前に四枚組みで2000円程度と破格なことから有名になったことと思いますが、遅ればせながら聴いてみました。 演奏はオランダのバロックヴァイオリンで著名な演奏家です。 バロック楽器を使った音楽は淡白で、それはそれでいい味があるので私も好きでした…

村上春樹 『国境の南、太陽の西』

このまえ村上春樹の『ノルウェイの森』を貸してた子が「私は感動しませんでしたー」と言って、軽くショックを受けました。 そうか、今の子は村上春樹で「感動しよう」とするのかと思うと頭がくらくらしました。 なにも、「こう読め、ああ読め」と言いたいわ…

ウォーラーステイン『史的システムとしての資本主義』

もう三月ですね。月間日記という話でもなくなってまいりました。 ウォーラーステインが面白いと言い回ってくれた子のおかげで、私も手に取りました。新版が出てたのですね。ふむふむと新年にかけて読み返したのですが、けっこうおもしろい。 資本主義という…

橘木俊詣編著 斎藤貴男 苅谷剛彦 佐藤俊樹著 『封印される不平等』

二月に読んだ本でおもしろかったもの。 前半が四者の座談会でこれがすごく面白い。立場が違うとほんと見えてるものが違うものですね。後半は橘木氏の論文で、これはちょっとまぶたが重くなる。 で、これを取り上げたのも、今日(05/3/10)、国会中継をせんべ…

須賀敦子 『遠い朝の本たち』

祝!冬休み、なので書斎を整理していると、温もりを感じるシックな装丁の一冊がでてきました。どうやら、1998年から一度も開かれずに本棚に放り込まれていたのでしょう。あのころは忙しかったしなぁ、と思いながら開いてみるとすごく面白く一気に読んでしま…

阿部謹也『日本社会で生きるということ』

このごろ、M・フーコーの『狂気の歴史』というバカ長い本を読んでいる。こういう本は頭からぜんぶ読むんじゃなくて、美味しいところだけをちょこちょこ読むのが上手いやり方だけど、そうもいかなくなった。とっても忙しい。 そういえば、映画についても似た…

廣松渉 『新哲学入門』

この小さな新書が秘めている容積はすごい。本には内容を反映した、文の容積のような物がある。新書というものが、たいいていにおいてあなどれないものであれ、この本の容積はさすが廣松さん、岩波だ、と唸るものがあります。 もちろん、すらすら読める人もい…

 陣内秀信 『東京の空間人類学』

うおー、忙しいシーズン到来である。私なんかまだ暇な方だとはわかってるけれど、曜日感覚が早々と薄れつつあります。徹夜できないとわかっていても仕方がないと徹夜してしまい、頭がふらふらしている中で神戸の元町商店街を歩くと、街頭コンサートがあちこ…

J・デリダ追悼 

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200410100007.html最近の論文は分野関係なく「脱構築」という言葉が見られる。この前研究会の時に読んでた論文もやっぱり「脱構築」って言葉があって「ではこの脱構築について・・・」という話から、この言葉の魅力をひしひ…

オイストラフ演奏 チャイコフスキーヴァイオリンコンチェルト

つい最近「北京ヴァイオリン」という映画を見た。このごろ大陸ものの映画がこれでもかとどしどしはいってきていて、そういうのが私はあまり好きではないんだけど、DVDのパッケージが可愛らしくて観てしまった。 映画の内容は色がある映画で、もちろん派手と…

川喜田二郎 『発想法』

中学生か高校生のころに手にとって「おおっ、これはおもしろい」と思った本はなかなかいつの年になって読み返してもおもしろい。あの頃はなにかを「系統だてて読む」とか「分節だけ読む」とかしないで左から右までガガガガーと丸々読んだものです。 基本的に…

柴田元幸 『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』

村上春樹の「うなぎ」ってなんですかと聞かれた。村上春樹が「うなぎ」について語っているのは、柴田元幸さんの「ナイン・インタビューズ」のなの話。 この本は柴田元幸が関わっているアメリカの作家たちについてのインタビューで、インタビューの模様は録音…

BILL EVANS 「Waltz for Debby」

部屋にはいると本棚でも机でもなくて大きなステレオがある。私は友達に、いくらオーディオが好きでも部屋も小さくちゃこんな鳴らせないでしょと言う。友達も「だから、抱えながら寝てるんだ」と言う。 そんな時代があった。いつかお金持ちになって部屋にこだ…

門脇俊介『フッサール 心は世界にどうつながっているのか』

NHK出版の「シリーズ・哲学のエッセンス」から一冊。私はこのシリーズが好きで、講談社からでた「現代思想の冒険者達」なんかよりずっとシンプルで楽しい。あのシリーズは真面目すぎで、いしいひさいちの四コマが一番面白かったよね。 「エッセンス」のほ…

 村上春樹『もしぼくらのことばがウィスキーであったなら』

スコットランドとアイルランドで地元のウィスキーをたらふく飲んできたという村上春樹お得意の旅行記。 ウィスキーの味や出会った人々の印象について文章に上手く表現できれば幸いです、という慎重で慎み深い序文の最後はこんなふうに締めくくられる。 もし…

すくらっぷ

ここで書かれてるものはcapitalによるとても面白いもの、良いもの、素晴らしいものという好意的に感じたものについてです。 しかしながら私はこれまで、傾向的に悪口や批判的な斜に構えた生き方をしてきました。好意的な話しばかり書くというのは考えただけ…

神戸にすんでる

夜中に目が覚める。カーテンの外が不気味に明るい。何事かと、戸惑う。 でも私はなんでもないや、寝よ寝よと寝る。地震。 廊下がへにゃへにゃ曲がっている。鉛筆をふっているみたいに。こんにゃく。 地鳴りがする。持ち上げられ、たたきつけられる感触。 声…